ジュニアテニスで早生まれはどれくらい有利なのか?Part2!トップ選手の割合に注目して検証してみた。


本当に早生まれは得なのか?そして強いのか?

昨日の早生まれのデータで気になったことがあったので少し掘り下げてみようと思います。

ジュニアテニスで早生まれはどれくらい有利なのか?ジュニア世界ランキングで検証してみた!!

発育早いの順に勝ち負けに影響するのなら、1999年の10〜12月生まれの選手と2000年の1月〜3月位稀の選手の数を比べてみると、前者の人数の方が多いという結果になるはずですが、こんな結果になりました。(今日は男子のみ)

1999年10月〜12月:2000年1月〜3月・・・34:62

圧倒的に2000年の1月〜3月が多い。ということは、発育順だけでは語れないということ。ではその内訳はどうなのでしょうか?それぞれを、トップ10・トップ50・トップ100・その後は100位ごとに区切って集計してみました。

1999年10月〜12月生まれはこんな感じ。

2000年1月〜3月生まれはこんな感じ。

グラフの比較からわかること。

①トップ選手の数はほぼ同じ
②100位以下の選手の数が違う

①トップ選手の数はほぼ同じ
トップ10に入っている選手の数は2人ずつで同数。トップ100だと10人と9人なのでこちらもほぼ同数です。

②100位以下の選手の絶対数が違う
100位以下の選手の分布はご覧の通り。上のグラフは少しガタガタしているように見えますがこれは縦軸の人数が少ないため。上と下のグラフで違いがないように見えますが、実際は下の2000年1月〜3月生まれのグラフは縦軸の数値が約2倍です。100位以下の選手数は、

1999年10月〜12月生まれ・・・24
2000年1月〜3月生まれ・・・53

と2倍近くも差が出ます。このことから得られる結論は、生まれ年が早い方がたくさんのチャンスを得られるが、その中でトップに行くことができる数は同じである。ということ。100位以下が多いということは、次世代でトップ10に入るチャンスをそれだけたくさんの選手が持っているということ。でも実際にチャンスをつかめる人数に差はない。

では同じ年のデータのトップ50の生まれ月を調べてみました。

予想通りのこんな感じ。

1999年の1月〜6月に生まれた選手が約60%を占めます。早く生まれた方が、こうやってランニング上位に集まり次へのチャンスをたくさんつかむことができるという事実はあるようです。ITFジュニアと一般のポイントはリンクしないので、このランキング表で上にいるからと行って次には直接つながらなのですが、

①スポンサーを見つけることができる
②ワイルドカードなどがもらえる

など、ランキング上位にいることで恩恵が受けられるのでアドバンテージはあるでしょう。ですが結局この中から上位に残るのは、10月〜12月生まれと同じ割合になっていくのでしょう。よくこういうことをちまちま調べていると怖いボスコーチが、

『最後に残るのはどうせ一人だ!!つべこべ言わずに走れ!!』

なんていいそうですね。データ上、それは正解だということです。

ですが育成の戦略を練るときに、お子様が何月生まれか?ということは頭においておく必要があることはこのデータからもわかります。日本の場合、ジュニア大会は1月が先頭ですが、学校の大会(全国小学生→インターハイ)は、4月が先頭です。こう考えると2パターンあるので日本は平等性が高いとも言えます。一番キツイのはどちらのパターンでも後ろの方になる10月〜12月生まれです。

結論&主観

生まれた月によって差があるかないかで言うとあるというのが答え。それは次のステップへのチャンスがもらいやすいから。そして生まれた月が10月〜12月だと不利だというデータが出ている。でもそこまで理解できたら、後は個人の努力でカバー可能。

①年下と練習や試合をして自信をつける。
勝つことで自信をつける。またパワーやスピードに余裕が生まれるので、戦術面や多彩さに意識が使えるメリットがある
②普段の環境がすでに厳しい環境になっている
あえて強い選手を探さなくてもいい

個人的には①というのはなかなか意識が行きにくいですが大切なことだと思います。強い選手の中には、そんなに強い選手ばかりいるクラブ所属ではない選手もいます。私の知っている例だと、全日本上位の選手だけど、普段の環境は年下の全日本に行けない選手ばかりだった選手がいます。その選手が高校2年になって、名門アカデミーに移籍した途端、戦績は下がっていったと悔やんでいました。合う合わないは誰にでもあります。このデータが少しでも個人個人の行動に役に立てばと思います。

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